セミのミセ

こんにちは。

急に暑くなって、本当にマスクが暑いです。

 

先日、自転車でスーパーに行った帰り道、前を見ながら自転車を漕いでいると何ともいえない違和感を覚えました。

この違和感は何だろうと下に目をむけていると、道の真ん中で何かが動いています。

 

じ〜と見てみると脱皮する前のセミでした。

電柱や木は近くには無く道路に向かって歩いています。

かなり人通りも多い道なので最悪誰かに踏まれるか、もし踏まれずに道を横切れたとしても、その先に待っているのは道路なのです。

 

出発前、榎田に早く帰って来てね!と言われていたので一瞬躊躇しましたが、自転車を降り、ティッシュに包んでセミをお店に連れて帰ることにしました。

 

近くで見ると、そいつは土にまみれており、追今し方、土の中から這い上がってきたばかりだった事が見て取れました。

急いでお店に帰り、テラスのオリーブの木の下にセミを置くと、しっかりと歩き、オリーブの木に登って行く姿を観て私は安心して家に帰りました。

 

でもその日の夜は、すんごい雨だったのです。

 

オリーブの木はそんなに葉っぱが生い茂っている感じでもないので、どう考えても雨宿りには向かないだろうし、アイツは明らかにおっちょこちょいな性格。

 

大丈夫だろうか?

 

とは思いましたが、わざわざ雨の中アイツの様子を見に行く程の仲でもないので、そのまま寝てしまいました。

 

あくる朝、お店に行きテラスに出てみると、セミの泣き声は全く聞こえませんでした。

心配になり、一応オリーブの木の下を見ると、昨日のアイツが仰向けになった姿で、ぐったりしているのでした。

 

ぐっ。ダメだったか。。。

 

 昨日の夜、こいつを助けにくるべきだったと、ほんの少しだけ後悔しました。

出会ってからの時間は短いけれど、何かの縁の様なものを感じている自分がいました。

昨日の様子をふと思い出すと、いろんなアイツが私の中で走馬灯のように蘇ってきました。

道をヘラヘラ横切っているアイツ、

土まみれで恥ずかしそうにはにかむアイツ、

包まれてたティッシュの隙間から私に微笑むアイツ。

気がつくと、ミセちゃんと呼んでいました。

ミセちゃん、私はミサちゃんだよ。

 

ミセの全てが愛おしく思えた。

 

想いにふけりながらミセちゃんを見ていると、何かが昨日と違うことに気付きました。

 

なんだ??

 

そーと持ち上げてみると、背中が、背中が、、背中が、、、割れていました〜!!

 

脱皮していたのです!

 

最後良ければ全て良し。

 

頑張れよ〜。私も頑張るよ。

 

ミーンミンミン!

 

「地獄に落ちてもミセちゃんに助けてもらえると思うよ」

と、榎田が笑って私に言いました。

 

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