今まで、何年もお客さんや俺たちを支え続け、遂にはボロボロになったイスが生まれ変わった。
イスとして人を支え、時にはテーブルとしてお客さんに奉仕し、さらにはワゴンになってカラーやパーマのお手伝いまでしてくれました。
心ない店主がぶつかり倒れ、悪魔との契約で心を失ったその奥さんに水で濡らされ、表面がめくれ、ササくれ立った様子が、そのイス達の心の鏡の様に僕の目に映りました。
そんなある日、見かねたティーンエイジャーが救いの手を差し伸べた。
「僕がキレイに治すよ!」
濁った肌とは裏腹に、キラキラ輝くティーンのその目が訴えかけてきました。
ティーン 「榎田さん、お金なさそうだから安い木を使いました!」
イラっとしたけど、若気の至りで許した。
大切に使います。
空間デザイナーのHIBIKI選手。
今回の制作で初めてのギャラをゲット。
そのお金でお母さんにフレンチをご馳走するそう。
そのエラさを見習おうと思いました。